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ミニSS・2回目

連続ミニSSシリーズ2回目です。
何とか間に合いました(^-^;)。



いつもの後悔



 発端が何だったかなど、覚えてはいない。覚えてはいないが、きっとどうでも良いようなことなのだろうということだけは確かである。いつもそうだったからだ。
 自分が弟とケンカをする理由は。
 否、あれはケンカとはいえないだろう。
 自分の後ろをついて回る弟に腹が立ち、あれこれ難癖をつけて怒鳴りまくる。すると弟は悲しげな表情で訴えながらも何も言わず、立ち尽くす。そして自分が最後に悪態をついてその場を去る。弟の視線を背中に痛いほど感じながら。
 こんなものは最早ケンカでない。単なる自分の理不尽な行為でしかない。
 窓の前に立ち、景色を眺めるふりをして一時間は経つだろうか。十数分前から背中に弟とは違う視線を感じているが、誰なのかは振り向かなくても分かっていた。相手が何を言いたいのかも微かに聞こえた溜息から察することができる。
 何故なのだろうか。何故自分はいつも弟にあのような態度をとってしまうのだろうか。正直自分でも分からない。
 物心がついた頃には、それはもう自分の中で当たり前のことだった。無邪気な笑顔を浮かべて自分の後ろをちょこまかとついてくる弟の姿が視線の片隅に入るだけで無性に苛立ってくる。その苛立ちをそのまま「ついてくるな」という言葉に変えて釘を刺せば、弟はどんなに否定したくとも、それ以上はついてこない。自分が嫌だと言ったことは絶対に出来ないから。
 しかし、姿が見えなければ見えないで腹も立つのもまた事実であった。
 今も自分に怒鳴られた場所で涙をこらえながら立ち尽くしていることだろう。そう考えただけで更に苛立ちは増していく。

 泣きそうになるくらいなら、何を言われても追いかけてくればいいのに。

 実に矛盾していて呆れてしまう。拒絶したのは自分の方だというのに。
 子供じみているのは分かっていた。でもだからといってどうすることもできない。弟には何故かそんな態度ばかりとってしまうのだ。
 一体何度こんな自問自答を繰り返せば良いのか。
 それとも答えなど最初からないのだろうか。
 全くもってくだらない。
 何度怒鳴られても後をついてくる弟。矛盾な自分。

 そして、こんなくだらないことが自分達の日常であることが。



 また後ろから小さく息を吐く音が聞こえたような気がした。
 溜息をつきたいのはむしろこちらの方だ。

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[ 2007/07/28 23:34 ] オリジナル小説短編 | TB(0) | CM(0)
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2006年5月16日開設

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