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Sir Kay~Brother Of King~第三章<18>




   第三章「弟の影となり」<18>



 賑わう会場内を抜け、アーサーを筆頭にケイ、ランスロット、ガウェイン、ルーカン、そしてベディヴィアは、マーリンに連れられ、会議の間へとやってきていた。
 中へ入ると、マーリンは六人を、大きな円を描くように並ばせた。突然呼ばれたと思ったら、理由も教えられずに連れてこられ、並ばせられ。六人は困惑気味であったが、稀代の魔導士であるこの老人のすることには何かしらの意味があろうと考え、素直に従っていく。
 ただ、ケイだけはマーリンを訝しげに見つめていた。自分は、この老人の為すことを一度も信用したことはない。第一、わざわざこの六人を限定して呼び出すなんて怪しすぎる。今回もきっと何か企んでいるに違いないのだ。
「マーリン。一体ここで何を?」
 疑心の念に駆られていると、アーサーが問いかける為に口を開いた。それを口火にルーカンも続いていく。
「陛下やランスロット達だけでなく、私達までお呼び立てなさるとは、どういったご用件なのですか?」
 この老人のことだから、何か考えがあると分かっても、やはり何も知らされないのは不安なのだろう。見れば他の者達も同じような表情をしている。
 マーリンは問いかけには答えず、厳しい目つきで六人を見渡す。
 そして、ようやくゆっくりと口を開いた。
「お前達に渡さねばならぬ物がある」
 告げられた言葉にアーサーを除く五人は、それぞれ顔を見合わせる。
 渡さねばならない物、とは何なのだろうか。
 マーリンが右腕を上げた。その手に持つ杖をかざすと、杖から眩い光が発せられる。その光は、描かれた円の中へと放たれ、集まり、大きく広がっていく。あまりの眩しさに腕で目を覆ってしまう。
 しかし、それは少しの間だけであった。やがて光は消え、周囲は元の明るさを取り戻した。
 六人は視界を遮っていた腕を下ろすと、その開けた目前に突如現れた巨大な物体に驚きの声を上げる。
 そこにあったのは、大きい円の形状をした古いテーブルのようなものだった。席がひとつひとつしっかりと区切られており、合計で十三席ある。中央は物を置く台のようなものが設置されていた。
 だが、目を見張ったのは大きさでもなければ精密な作りにでもない。テーブル自体が醸し出している神々しさにだ。どこかアーサーの持つエクスカリバーと似ており、これがただの古いテーブルではないことを物語っている。
「何なんだ……これ?」
 驚きが自然と言葉として出てきた。六人とも何故か足を動かすことが出来ず、その場で固まってしまっている。それだけ近寄りがたかったのだ。
 すると、マーリンだけが平然とテーブルの傍に寄り、そっと左手を置くと言った。
「これぞ、『円卓』じゃ」
「『円卓』……?」
 聞き慣れない単語にケイは眉を寄せる。他も同じような表情になっている。
 その中で唯一、ランスロットだけがはっとした表情になっていた。
「『円卓』……。ダーナ神族の神器のひとつと言われているものですか?」
 ダーナ神族。その名にケイは思わず声を上げそうになった。それは、モルガンから聞いた、古代の神と同時にこの世界全ての先祖の名である。
 マーリンはランスロットの問いにひとつ頷き、説明した。
 ダーナ神族は、フォモール族との戦いに勝利した後、生き残った人や動物と共に子孫を残していった。
 それと同時に一族の神器を、彼らに受け継がせた。
 『円卓』もそのひとつだという。
「我々が生きるこの世界にそのような神話があったとは……」
 『円卓』がダーナ神族の神器だと言ったランスロット。ルーカン兄弟は、以前神話のことを知っていると聞いた。アーサーが知っていたことは、やや予想外だったが、恐らくマーリンにでも聞かされていたのだろう。
 驚きの声を上げたのは、ガウェインだけだった。どうやら、彼はダーナ神族とフォモール族の事を知らなかったらしい。尤も、この神話は表立っては語られていないので、知らない方が普通ではあるが。たまたまここでは知っている者が多かっただけのことだ。
「傍へ来るがよい。お前達の名が彫られておる」
 マーリンが全員を促してきた。戸惑いつつもそれぞれ『円卓』の傍へ近寄る。
 すると、気付く。確かに言うとおり、『円卓』には席によって金色の文字が彫られていた。ケイが傍に寄った席には、自分の名が刻まれている。
 視線を周囲に移せば、他の者も自信の名が刻まれている席を見つけたようだ。
「何故、私達の名が?」
 ルーカンが皆の疑問をぶつける。
「『円卓』の力のひとつじゃ。席にはそこに座るべき者の名が刻まれ、その者が死ねば文字も消える。つまり、そこにお前達の名が刻まれているということは、『円卓』に選ばれたということ」
 マーリンは、そこで言葉を切り、一度全員を見渡してから、改めて口を開いた。
「お前達は、これから『円卓の騎士』を名乗るのじゃ」
「『円卓の騎士』……」
 アーサーが繰り返すように、告げられた名称をつぶやいた。言われた瞬間は今イチぴんとこなかったが、アーサーが口にしたことで、一気に現実味が増していく。
 ダーナ神族の神器のひとつである『円卓』。
 その席に座ることが許された自分達は、『円卓の騎士』である、と。
 アーサー、ランスロット、ガウェインは、その特別な意味を込められた名に気分が高揚しているのを隠せないでいる。相変わらず、素直な奴らだ。対して、ルーカンとベディヴィアは、常と全く変わらない。彼らが感情的になることは、ほとんどないので当然かもしれないが。
 ちなみにケイといえば、心に燻る疑心の念が更に高まっていた。『円卓』は、ダーナ神族の神器であるのはランスロットの言葉からも真実であろう。しかし、それを持ってきたのは、他でもないマーリンだ。そのことを考えると、『円卓の騎士』という高雅な名も容易に受け止めることが出来ない。
 自分達をそう名乗らせるのには、何か裏があるのではないか。己の掌で踊らせる為に。
 ケイがマーリンを疑うのは、いつものことであるが、巨人族の里の一件以来、その気持ちは更に高まっている。自分もこの老人の予言の思いのままに行動させられたのかと思うと、悔しくてたまらないのだ。
 様々な想いに駆られるこちらを、マーリンは一時見つめると、再び口を開いた。
「そして、お前達には伝えておかなければならぬ事がある」
 少し和らいでいた空気が再び引き締まる。この老人がこのように言う時は、確実に予言を与える時であることを、ランスロット以外は熟知している。
「『聖杯』を探すのじゃ」
「『聖杯』だと?」
 アーサーが声を上げた。
「左様。かつてダーナ神族の長・ルーが、この世界に海を作る為に用いたのがその『聖杯』である。常に生命の水を湧き上がらせており、飲めば病や傷をたちどころに治し、その身の若さを保ち続けることが出来るのじゃ。その『聖杯』があれば、このログレスの栄華は永遠のものとなるであろう」
 『聖杯』の名もモルガンの話から出てきたので、ケイは知っていた。若さを保ち続ける、という言葉に『魔女』を思い出される。モルガンもその『魔女』の一人であり、彼女も実年齢を考えると若く、美しさを保っていた。『聖杯』の水を飲むことで若さを保てるというのは、彼らが若くいられるのと同じことなのだろうか。
 否、今そんなことはどうでもいいだろう。ここにないものの原理を考えたところでどうにもならない。
 今考えるべきは、「『聖杯』を探せ」という言葉の方だ。
 マーリンが言うには、『聖杯』はログレスの栄華を永遠のものとするらしい。それが本当だとするなら、アーサーはやがて自ら探索に出る筈だ。
 しかし、ケイにしてみれば、これはとんでもない眉唾物である。『円卓』がこうして目の前にあるのだから、その『聖杯』も恐らく存在しているのだろう。だが、どこにあるのか分からないものの為に人材を派遣することは、時間の無駄ではないだろうか。ましてや、アーサー自身が行くことを求めたなら、キャメロットは長く王不在となってしまうのだ。それも考えると、たとえログレスの栄華を永遠のものとしてくれても探索をためらう。
 せめてもう少し細かい情報がなくては検討も出来ない。
「その『聖杯』とやらの所在は分からないのですか?」
「それは、お前達が己の力で見つけるべきこと。儂の口から申すことではない」
 こちらの問いを、マーリンはあっさりと切り捨てた。それにケイは眉を顰め、誰にも聞こえないよう、ぼそりとつぶやく。
「……分からないなら、そう言えよ」
 尤もらしいことを言っているが、結局はそういうことではないのか。いつも偉そうに未来を読んでいるというのに、肝心な時に役立たないものだ。
 すると、隣にいたルーカンがこっそりと肘で突いてきた。思ったより大きい声だったかと周囲を見やれば、他の者達は特にこちらを見ている様子はない。隣だから聞こえたのか。そうでなければ、相当の地獄耳だ。
 ギロリとルーカンを睨むが、当の本人はマーリンの方を向いたまま素知らぬ顔をしている。それに更に睨みが鋭くなる。
 そうこうしていると、アーサーが口を開いた。
「分かった、マーリン。必ず『聖杯』は見つけてみせよう」
 予想していた通りの言葉が出てきて、鋭い睨みが一気に萎んでいく。
 決定打だった。アーサーがそう言ってしまえば、もうこちらがどうこうすることは出来ない。黙って受け入れるのみだ。
「アーサーよ」
 マーリンが静かに名を呼ぶと、アーサーはより顔を引き締める。
「これからログレスは、お前とこの者達とで築き上げていくのじゃ。侵略者達が撤収したとはいえ、長き王不在の時代の歪みは、あまりにも大きい。お前達の戦いは、これから始まるのじゃ」
「ああ。皆と力を合わせて、このログレスに永遠の平和を築き上げてみせる。マーリンも、これからもよろしく頼む」
 力強く頷き、アーサーは今後の協力を懇願した。誰もが老人はすぐに頷くものだと思っていた。
 しかし、マーリンは黙ったまま、じっとアーサーを見据えているだけ。それを不思議に思い、訝しむ。
 しばし思案した後、老人は首を横に振りながら言った。
「……いや、儂がお前達に助力することが出来るのは、ここまでじゃ」
「どういう……意味だ?」
 思いがけない返答にアーサーは戸惑っている。
「儂はこれより旅立たねばならぬのだ。今宵、ここへ来た最大の目的は、お前の王としての姿を見届ける為。立派に成長したお前に、最早儂の力は必要ないであろう。そう判断した」
 誰もが驚きを隠せなかった。あまりの衝撃に声も出ない。それもその筈。アーサーが幼少の頃より、傍でその成長を見守り、王となってからも莫大な知識と予知能力を駆使して、導き続けた老人が、突如彼の元を離れることを宣言してきたのだ。これで驚かないわけがない。そんなことは誰も考えたことはなかったのだから。
 驚きから脱すると、アーサー達は慌てて叫んだ。
「マーリン! 何故、そのようなことを……」
「そうだ、マーリン殿! 貴方の導きがあったからこそ、我々は
 必死に止めようとするアーサー達。それをケイは、どこか遠くから見ているように感じていた。
 マーリンがアーサーの元から離れる。それは、アーサーに自身にしてみればとんでもないことであり、是が非でも阻止したいことだろう。他の者も同じ気持ちの筈だ。
 だが、ケイは違った。むしろ、喜んでさえいた。確かにこの先の事を考えれば、マーリンの力は大きな助けとなる。なるが、それと同時にこの老人の存在は、自分にある不安を抱かせるのだ。
 いつかキャメロットが、この老人に乗っ取られるのではないか、と。
 もちろん、アーサーは決して操られるような人間ではない。それは断言出来るが、マーリンを絶大に信頼しているのも事実である。今までも与えられた予言を全く疑ったことはなかった。この先、万が一、都合の良い偽りの予言を与えられても疑わない可能性は、必ずしもゼロではないのだ。
 この不安は、マーリンがアーサーの背後にいる限り、消えないだろう。だったら、このままマーリンの言うとおり、去ってもらった方が良いのかもしれない。アーサー達が必死になっている時に、ケイはずっとそんなことを考えていた。ルーカン達も何か思うところがあるのか、その場に立ち尽くしたままだ。また、いつものように客観的な物の見方をしているのだろうか。その表情からは、名にも読み取れなかった。
 熱い空気と冷たい空気が入り交じる中、自身を引き止めるアーサー達を黙って見つめていた老人は、ようやく固く閉ざしていた口を開いた。
「しかし、その前に……アーサー、お前に会わせたい者がおる」
 出てきた言葉は、先程までの話題と何の脈絡もなく。何故、今突然にそんなことを言い出すのか。この老人の考えていることは、理解出来ない。
 そんなこちらの当惑を余所に、マーリンは扉の方へと目をやった。
「入りなさい」
 言葉に促されるように扉がゆっくりと開き、コツコツと足音を立て、その人物は入室してきた。
 黒いドレスを身に纏い、ウェーブのかかった長い黒髪が視界に入った瞬間。
 ケイは一瞬、息が止まってしまうかと思った。
「こんばんは」
 無邪気に笑い、挨拶をしてくるその人物は、ケイにとって今最も出会いたくない女だったのだ。
「……モルガン!」
「叔母上!」
 こちらとほぼ同時に叫んだのは、ガウェインだった。思わず二人して顔を見合わせながら、はたと気付く。そういえば、そうだ。モルガンはモルゴースの妹であり、モルゴースはガウェインの母。つまり、彼らは叔母と甥の関係であったのだ。そのことをすっかり忘れてしまっていた。
「ケイ。叔母を知っていたのか」
「あ、ああ、まあ……」
 当然の疑問をぶつけられ、ケイは言葉を濁してしまう。
 今更ながら、名を呼んでしまったことを後悔した。わざわざ自分から、彼女との接点をばらすことはなかったのに。尤も、こちらが誤魔化したところで彼女の方が暴露してしまっただろうけれど。
 どうやら、それは当たっていたようだ。
「ケイ様とはお友だちなのよ」
 無邪気な笑みを浮かべたまま、モルガンは首を傾げている甥に答えた。ガウェインも叔母からの返答に納得したようである。
 多少の語弊はあるものの、最早否定する気になれない。それよりも今は考えなければいけないことがあった。
 坑道で自分達を助けた際、彼女は言った。「近々、また会える」と。そして、その通り、彼女はこうして現れた。堂々と、キャメロットへ。しかも、マーリンに連れられて、だ。
 一体、彼女は何をしに来たのだろう。何をしようとしているのだろう。その答えは、深く考えずとも頭に浮かんだ。認めたくない答えであったが、今ここにはアーサーもいるのだから、九割方正解の筈だ。
 彼女は、あの日の出来事の真相を話にきたに違いない。
 マーリンが連れてきたということも、答えが正しいと実感させた。この老人もまた、真相を知っている者の一人なのだから。やはり、自分の疑心は外れていなかった。この老人は、アーサーの為に動いていたのではなかったのだ。
 実にまずい状況である。このままではあの日の真相をアーサーに知られてしまう。そうなってしまったら、アーサーは……弟はどうなってしまうのか。
 想像するだけで、ケイは恐ろしくてたまらなかった。
「ガウェインの叔母君で……御座いますか」
 アーサーの声にハッと我に返る。彼は、突如現れた見知らぬ女性に困惑しながらも平静を保ちながら、声をかけていた。
「初めまして、アーサー王。私、ずっと貴方に会いたかったの」
 甲斐甲斐しく一礼をするモルガンに、アーサーは優しく微笑む。
「それは、光栄です。しかし、何故?」
「陛下、この女の言葉に耳を傾ける必要はありません」
 焦りを隠しつつ、二人の会話を遮り、間に入る。自分が割って入ってきたことに、アーサーは目を見開く。ランスロットとガウェインも同じ顔をしている。
「ケイ卿?」
「何を言うのだ、ケイ。人の叔母をつかまえてそのような言い草は……」
「お前は黙ってろ!」
 叔母を侮辱されたと思い、文句をぶつけてきたガウェインを一喝すると、流石にルーカンとベディヴィアも僅かに驚きの感情を見せた。それもそうだろう。自分が怒鳴ることは、二人にとって日常茶飯事だったかもしれないが、こんな風な剣幕になることは滅多にない。これでは、焦りを隠すどころかバレバレだ。
 五人の不審な視線が突き刺さり、ひどく居心地が悪い。かといって、何かを言える訳でもなく。彼らから顔を逸らすことしか出来ない。
 重い空気が部屋中に広がる中、ただ、モルガンだけが笑ったままだった。
「いやだ、ケイ様。何をそんなに慌てていらっしゃるの? 私はただ嬉しいだけなのに。だって……」
「よせ!」
 その先を言わせてはいけない。
 ケイは、本能で察した。もう、彼らの視線など気にしてはいられない。
 最早冷静さを欠いており、ぺらぺらと良く喋るその口を塞ごうと一歩前に踏み出す。が、次の瞬間。身体に電撃のようなものが走り、固まったまま動かなくなってしまう。
 この感覚には覚えがあった。そう、初めてモルガンと出会ったときだ。魔法らしきものをかけられ、今のように身動きがとれなくなってしまったのである。と、すると、今も動きを縛っているのは、彼女なのか。それとも……。
 視界へ僅かに入る老人の方に意識を向ける。老人は、先程と同じように立ったまま、特に変わった様子はない。しかし、それが逆に怪しく思えてしまう。
 やはり、自分の身体を束縛しているのは、彼なのか? 二人で自分の邪魔をしているのか?
 そう考えた瞬間、ぞっとした。自分は、稀代の魔導士と魔女の両方を敵に回しているのだ。そんな大層な役回りは、自分の器では分不相応すぎる。
 湧き上がってくる緊張感は、巨人族の前で歌を披露したの非ではない。自然と息継ぎが早くなっていく。心臓が早鐘のように波打って破裂しそうだ。たまらない。早くこの緊張感から抜け出したい。そんな素直な欲求に従いたくなってくる。
 だが、このままではあの日の事を皆に……アーサーに知られてしまう。駄目だ。それだけは駄目だ。その思いだけが、ケイを今奮い立たせていた。
 身体は相変わらず言うことをきいてくれない。ならば、せめて忠告だけはしようとするが、半開きになったまま、口も動いてくれなかった。完全に彼らの術中にはまってしまっている。
 唯一自由な視線をモルガンへ移す。ここへ来た当初と変わらない無邪気な微笑みを浮かべているが、ケイにはその笑みが残酷に見えて仕方がない。
 やめろ、やめてくれ。頼むから、明かさないでくれ。
 恥も外聞も一切捨て去り、瞳でそう訴える。身体も口も動かせない自分には、もうそれしか出来なかったのだ。
 しかし、そんなこちらの悲愴な願いなど叶う筈もないと、心のどこかで分かっていたのかもしれない。
 モルガンの口が言葉を紡ぎ出していくのが、妙にゆっくり感じられた。
「本当に私は嬉しいの。やっと、こうして弟に会うことが出来て」
 そして、恐るべき事態は訪れた……。

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[ 2007/02/24 23:47 ] オリジナル小説連載 | TB(0) | CM(0)
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2006年5月16日開設

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